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特集 心気症をめぐつて 第5回日本精神病理・精神療法学会大会シンポジウムより 主題演者
体臭を訴える患者の疾病学的位置づけと病態の意義
著者: 小谷野柳子1
所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神医学教室
ページ範囲:P.337 - P.341
文献購入ページに移動自分の体から他人に不快感を与えるにおいが発散するために悩むという症例は,文献上は,Janet, P. の症例の中にもみられ,すでに1932年から1933年にかけて,フランスのDavidson, G. H. やBrill, A. A. などによつても記載されているが,その疾病学的位置づけや,病態の持つ意義についての論議は,最近ようやく盛んになつてきたもののようで,まだ決定的見解をみるに至つていない。
従来なされてきた論議を概観してみると,まず第一に神経症から内因性精神病にわたつてみられる症状であるとする見解がある5)9)。第二に,より神経症的な,あるいは神経質症の範疇に入る一つの単位をなすという見解があり1)3)7)12),第三には,内因性精神障害の症状の一つであるとする見解がある10)。
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