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文献詳細

雑誌文献

精神医学11巻6号

1969年06月発行

文献概要

研究と報告

脳萎縮に伴つたヒステリーの4症例

著者: 大月三郎1 細川清1 中村善信1 平田潤一郎1 石垣一彦1 江原嵩1

所属機関: 1岡山大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.449 - P.456

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 運動障害,知覚障害,けいれんなどの顕著な神経症状を示したヒステリーにおいて,気脳写によつて側脳室,第Ⅲ脳室ともに拡大を認め,その他の脳器質徴候のほとんど認められなかつた4症例を報告した。
 これらの症例における共通した特徴は,病前はさほどヒステリー性格を示さず,なんらかの脳障害を起こす可能性のある既往歴を有し,共通した症状としては表情の鈍さと漠然とした心気的訴えを示し,脳波所見では特異的なものはないが,軽微な異常所見を示すことなどである。
 これら症例における脳室系拡大は,その周辺部の脳萎縮を示すものと考えられ,とくに第Ⅲ脳室周辺の間脳障害がヒステリー症状に関与しているものと推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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