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文献詳細

雑誌文献

精神医学11巻6号

1969年06月発行

文献概要

研究と報告

二重盲験法によるdibenzothiazepine誘導体(clothiapine=W-130)とphenothiazine誘導体(perphenazine)の精神分裂病に対する薬効比較

著者: 伊藤斉1 岡本正夫1 三浦貞則1 鈴木恵晴1 武正建一1 茂田優1 望月延泰1 八木剛平1 浅香富允1

所属機関: 1慶応大学医学部神経科

ページ範囲:P.465 - P.475

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Ⅰ.まえがき
 Phenothiazine誘導体,reserpine,thioxanthene誘導体,butyrophenone誘導体など各種の強力精神安定剤が精神分裂病に対する薬物療法に応用されているが,最近上記の誘導体に属さない化学構造を有する薬剤で強力精神安定剤としての作用を有するものが開発されている。
 Clothiapineはその1つで製剤名をW-130と仮称し,化学的には新しい型のtricyclic dibenzothiazepine誘導体に属す。類似の化合物にdibenzodiazepine誘導体であるdibenzepin(Noveril)があり抗うつ剤として知られている。Clothiapineは動物で,いちじるしい自発運動の抑制,カタレプシー作用および抗アポモルフィン作用を示し,行動薬理のうえからはchlorpromazineとhaloperidolないしはperphenazineとの間に位置するようなneurolepticaではないかといわれている1)。また各種動物をもちいた急性毒性試験ではLD50は従来の向精神薬と比較して高い毒性は示しておらず,亜急性および慢性毒性試験,催奇形成試験でも安全性が確認さている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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