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文献詳細

雑誌文献

精神医学11巻7号

1969年07月発行

文献概要

研究と報告

Neuro-Behçet症候群の精神症状—とくに幻覚妄想状態を呈した6例について

著者: 緑川隆1 十束支朗1 松本胖1 横田茂2

所属機関: 1千葉大学医学部神経精神医学教室 2同和会千葉病院

ページ範囲:P.526 - P.534

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I.はじめに
 Behçet病は口腔潰瘍,陰部潰瘍および虹彩ブドウ膜炎を三主徴とする慢性かつ再発性の疾患であるが,これら三主徴のほかに心血管,消化管,中枢神経系などに重大な病変がしばしば合併することが知られている。なかでも中枢神経組織における病変の合併(Cavara & D′Ermo5)のいわゆるNeuro-Behçet症候群)は古くから指摘され2)9),近年にいたりその高い出現率と多彩な精神神経症状の出現により,神経科医にも強い関心がはらわれるようになつた。
 しかし,従来Neuro-Behçet症候群の研究は臨床神経学的3)6)17)20)23)24)および神経病理学的側面10)〜13)25)26),からの報告が散見されるが,精神医学的な面からとりあげられた報告はわずか一,二28)32)にすぎない。本症候群は多彩かつ複雑な神経症状を有しながらも,その経過中にいちじるしい精神症状の出現をみることは,長期間にわたつて患者を観察した場合にはけつしてまれではない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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