文献詳細
文献概要
紹介
Wörterbuch der Psychiatrie und ihrer Grenzegebiet—von Claus Haring und Karl Heinz Leickert, 1968
著者: 三浦岱栄1
所属機関: 1慶応大学
ページ範囲:P.542 - P.542
文献購入ページに移動フランス精神医学においてはDr. Antoine Porot著“Manual alphabétique de Psychiatrie”1952という便利なものがあることをおおかたはご存じであろう。英語圏ではpsychiatric glossary(精神医学用語解)という便利なものがあることもまた周知である。それなのに,日本の精神医学がもつとも強い影響を受けているドイツ精神医学において,この種のものが欠けている不便に気づかれた精神科医があつたかどうか?(K. BirnbaumのHandwörderbuch der Medizinischen Psychologieというのがあつたらしいが,私は不幸にしてこの書物を知らなかつたし,また現在もあるとしても,もう古くなつてあまり使いものにならないのではなかろうか)
私はかつて本誌のEditorial欄に(第8巻・第1号,1966)に“精神医学と外国語”という文章を寄せたことがある。その一節につぎのごとく書いた。「私はドイツに長く住んだことがないのでドイツ語の力はもつとも弱く,したがつてこの力のない私が云々するのは少し筋違いかもしれないが,“いつたい,わが国の精神医学はドイツ語の正しい意味を伝えたのであろうか”と首をかしげざるをえないことがときどきあることを中しあげたいのである」(下略)。そして私は,辞書を丹念にひき正確な意味をつかんでおくことが,精神医学においてはいかにたいせつであるかを力説したのであつた。
私はかつて本誌のEditorial欄に(第8巻・第1号,1966)に“精神医学と外国語”という文章を寄せたことがある。その一節につぎのごとく書いた。「私はドイツに長く住んだことがないのでドイツ語の力はもつとも弱く,したがつてこの力のない私が云々するのは少し筋違いかもしれないが,“いつたい,わが国の精神医学はドイツ語の正しい意味を伝えたのであろうか”と首をかしげざるをえないことがときどきあることを中しあげたいのである」(下略)。そして私は,辞書を丹念にひき正確な意味をつかんでおくことが,精神医学においてはいかにたいせつであるかを力説したのであつた。
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