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文献詳細

雑誌文献

精神医学11巻7号

1969年07月発行

動き

米国の麻薬中毒治療施設について

著者: 広瀬徹也1

所属機関: 1神経研究所

ページ範囲:P.565 - P.568

文献概要

はじめに
 米国の麻薬中毒問題は一見LSDや大麻の流行の陰に隠れているようではあるが,依然として深刻な社会問題となつている。全米の中毒者の半数を占めるニューヨーク市の統計に表れた数字を眺めただけでも,1964年から1966年までの3年間に32,030人の麻薬中毒者が新たに登録されている状態である。これに対し政府や州でも真剣に対策を講じているが,一方では麻薬中毒の薬物治療等の進歩により,治療システムにも大きな変化がもたらされている。
 筆者は日米科学協力事業の「麻薬およびその他薬物乱用に関する臨床研究班」からの交換研究員として,昭和43年2月より7月までの約5カ月間ニューヨークに滞在し,主としてマンハッタン州立病院の麻薬中毒部に属し,麻薬中毒患者の治療に携る機会を得た。またその間ニューヨーク市内の麻薬中毒者の施設であるReality House,Greenwich House,さらにはカリフォルニア州立のCalifornia Rehabilitation Center,ケンタッキー州レキシントンにある連邦政府のClinical Research Centerも見学できたので,それらの様子を紹介し,併せて米国の麻薬中毒の現況についても可能なかぎり触れていきたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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