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文献詳細

雑誌文献

精神医学11巻9号

1969年09月発行

文献概要

研究と報告

刑法改正に関する私の意見 第3篇 保安処分の諸問題(その1)—精神障害者の犯罪

著者: 田村幸雄

所属機関:

ページ範囲:P.685 - P.691

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I.はじめに
 中世キリスト教時代,欧州では犯罪者と精神病者はともに悪魔の所為と考えられた。精神病者では招かないのに悪魔が患者の体内に侵入して発狂せしめ,犯罪者では自らの意志で自己の体を悪魔の住居に提供したためと考えた。したがつて両者の取扱いには共通したところが多く,あるいはこれらを鞭打ち,あるいは手かせ足かせをしたり,追放したり,また,悪魔はらいの儀式などをしたが,これらはすべて理由あるものとされた1)
 現代では,かかる極端な考えはほとんど姿を消したが,なお,その名残りはみられ,一般民衆の心のなかには,両者は近縁のものであり,ともに拘禁すべきものであるという考えが消えていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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