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研究と報告
二重盲検によるclothiapineの精神分裂病に対する薬効検定
著者: 金子仁郎1 谷向弘1 工藤義雄2
所属機関: 1大阪大学医学部精神神経科学教室 2大阪警察病院神経科
ページ範囲:P.721 - P.728
文献購入ページに移動得られた結果を逐次検定法,Whiteの順位法,x2検定法あるいは直接確率計算法(Fischer)で解析したところ,全体的な分裂病像の改善,状態像別の有効率,標的症状のパターンなどどれをとつても両薬剤間に有意差はなかつた。妄想が前景に出ている症例に対する効果発現速度が,治療開始後最初の2週間で,clothiapineのほうに速いような印象を受けたが推計学的には有意ではなかつた。
副作用の種類も発現頻度も両薬剤間でほとんど有意差はなかつたが,重症パーキンソニスムはclothiapineのほうに有意に高率に出現した。一般臨床検査では異常はみられなかつた。
以上clothiapineの分裂病に対する効果はchlorpromazineと臨床上きわめて類似しており,clothiapine 20mgがほぼchlorpromazine 50mgに相当すると考えられる。
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