文献詳細
文献概要
研究と報告
一過性全健忘
著者: 野上芳美1 浅川和夫1 穴沢卯三郎1 池田八郎1 杉山和1
所属機関: 1日本大学医学部精神神経科教室
ページ範囲:P.859 - P.864
文献購入ページに移動一過性の意識障害に続いて健忘を残すことは頭部外傷,脳卒中,てんかん,せん妄,錯乱状態などにしばしば経験されるもので,臨床医にとってさほど珍しいものではない。
Bender(1956)2)は健忘を主訴とする症状群のうち特徴ある一群に注目し“single episode of confusion with amnesia”と呼んだ。これにひき続いてFisherとAdams(1958)6)は同様の症状群を“transient global amnesia”として記載し,現在では後者の命名が広く用いられている。
掲載誌情報