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特別研究 分裂病家族の研究・序文
分裂病家族の事例研究にあたって
著者: 井村恒郎1
所属機関: 1日本大学医学部精神神経科学教室
ページ範囲:P.914 - P.915
文献購入ページに移動 家族内の対人関係に焦点を合わせている最近の精神医学的家族研究には分裂病に関するものが多いが,この同じ目標に対して,従来さまざまな接近の路がとられてきた。私たちのグループ(日大神経科家族研究班)もまた,この目標に向かって数年来種々の方法を用いてきた。それは大別するとテストによる方法と,ビデオ再生装置を用いた家族面接の分析とにわけられる。これらの研究成果は,既に本誌を通じて発表してきた。
まず,テストによる方法としては,I. C. L. の変法による方法と,われわれの名づけた音調テストとがあげられる。I. C. L.(Interpersonal Check List)は元来,Leary, T. が,対人関係を調べるたあに考案した質問紙法であるが,われわれは当テストをLearyの場合と異なった用い方をし,家族成員間の相互理解のありかたを知ろうという目的で使用した。具体的には,特定の家族成員間において,自分が相手に対してどのように接しているかという自分の態度の自己評価と,その態度を当の相手がどのように受け取っているかという相手の評価を組み合わせ,それを基準として家族成員間の相互理解の程度を知ろうとしたものである。
まず,テストによる方法としては,I. C. L. の変法による方法と,われわれの名づけた音調テストとがあげられる。I. C. L.(Interpersonal Check List)は元来,Leary, T. が,対人関係を調べるたあに考案した質問紙法であるが,われわれは当テストをLearyの場合と異なった用い方をし,家族成員間の相互理解のありかたを知ろうという目的で使用した。具体的には,特定の家族成員間において,自分が相手に対してどのように接しているかという自分の態度の自己評価と,その態度を当の相手がどのように受け取っているかという相手の評価を組み合わせ,それを基準として家族成員間の相互理解の程度を知ろうとしたものである。
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