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研究と報告
向精神薬治療下における精神分裂病の欠陥像について
著者: 佐野新1 小松馨1 安藤元1 波多腰彪三1 大河内恒2 金久保満雄3
所属機関: 1東京慈恵会医科大学精神神経科学教室 2小金井病院 3佐野神経科
ページ範囲:P.943 - P.947
文献購入ページに移動向精神薬治療が発見される前の欠陥像と比較して,緊張型,妄想型が減少して破瓜型,混合型が非常に多くなっている。さらに細かく分類すると,破瓜型のなかの凝講型と歪曲型が減少し,空漠型が60%をしめている。また,混合型のなかでは断絶型,妄想・破瓜型が少なくなり,単純低下型が多くなっている。
以上の結果は,向精神薬治療によって際だった陽性症状がおさえられ,平坦化された状態が作りだされるが,精神分裂病の基本的な症状は固定されたまま残っていることを示している。
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