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文献詳細

雑誌文献

精神医学12巻2号

1970年02月発行

文献概要

紹介

早発性痴呆をめぐって

著者: 神谷美恵子1

所属機関: 1津田塾大学

ページ範囲:P.155 - P.160

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I.はじめに
 ブロイラーが精神分裂病という概念をこしらえてから,すでに60年になろうとしている。1911年に彼が“Dementia praecox oder die Gruppe der Schizophrenien”(イタリック筆者)というモノグラフィーを著したとき,彼みずから次のように記している4)。「Dementia praecox(以下D. p. とする)の概念全体がクレペリンに由来する。またわれわれは,個別症状のまとめかたと,その特徴づけをも,ほとんど彼にのみ負っている。……この概念の発生地はクレペリンのPsychiatrie第5版である」。
 今日,精神分裂病の概念は,依然として有用ながら,その輪廓は,いろいろな方面から切りくずされつつあるようにみえる。このさい,その前身たる早発性痴呆の概念が,どのような源泉から,どのように形成されていったか,を通覧してみるのも,"認識論的反省"の索材として,役立つかも知れない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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