雑誌詳細
文献概要
研究と報告
奇妙な背後恐怖患者に関する考察
著者: 小見山実1 平山正実1 渡部修三1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.191 - P.197
Ⅰ.まえおき
「みる」という現象にはさまざまな意味がある。たとえば,みえるという「見る(Sehen)」,目をとめてじっと「視る(Erblicken)」こと,人格的な出会いにおける「みつめあう」こと,相手の所有を示す「目に入れても痛くない」みかた,など。つまり「みる」という現象には,その現われ方を通じて他者とのあり方や他者に対する態度が表明されている。したがって,「みる」ということが対人関係において重要な役割を演じていることが理解される。
精神医学においても「みる」ことの病態が出現する。たとえば,分裂病者における「まなざし」(J. Zutt)や「出会い」(v. Bayer)の病態,神経症者の視線恐怖などをあげることができよう。
「みる」という現象にはさまざまな意味がある。たとえば,みえるという「見る(Sehen)」,目をとめてじっと「視る(Erblicken)」こと,人格的な出会いにおける「みつめあう」こと,相手の所有を示す「目に入れても痛くない」みかた,など。つまり「みる」という現象には,その現われ方を通じて他者とのあり方や他者に対する態度が表明されている。したがって,「みる」ということが対人関係において重要な役割を演じていることが理解される。
精神医学においても「みる」ことの病態が出現する。たとえば,分裂病者における「まなざし」(J. Zutt)や「出会い」(v. Bayer)の病態,神経症者の視線恐怖などをあげることができよう。
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