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文献詳細

雑誌文献

精神医学12巻5号

1970年05月発行

短報

Clomipramine(Anafranil)の抗うつ作用と治療効果について

著者: 平井富雄1 矢部徹2

所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院神経科 2神経研究所

ページ範囲:P.443 - P.443

文献概要

 Clomipramineの抗うつ作用は,すでにPoldinger, W.(1961)によって報告されている。その後,おもにヨーロッパ圏の精神医学者によって,内因うつ病をはじめ,うつ状態像を呈する精神障害などに対する治療効果が確認され,わが国でもその抗うつ作用の治療的意義について,臨床治験報告が公表されている。
 本剤の特徴は,その臨床使用にさいし,点滴静注を行なう点にあるといえる。したがって,点滴静注の間にうつ病者の精神症状・自律神経機能および中枢神経機能の標示である脳波など,諸種の精神-身体機能の病態を,治療と並行させながら観察できる利点を有している。この意味では従来の治療法に比べ,はるかに科学的厳密さを持つ治療法になりうるとも考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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