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研究と報告
不就学・在宅自閉症児についての家庭訪問調査
著者: 若林慎一郎1 大井正己1 金子寿子1 河合知子1 石井高明2 伊藤忍3
所属機関: 1名古屋大学医学部精神医学教室 2愛知県心障者コロニー 3愛知県城山精神衛生相談所
ページ範囲:P.749 - P.755
文献購入ページに移動われわれが,十数年来,観察・治療を行なってきた自閉症児たちのなかには,小学校就学年齢に達したものも多く,自閉症児の学校教育の問題が親の会や教育関係機関などでも問題とされている1)〜4)。
われわれは,昭和43年4月に就学年齢に達した自閉症児について,その就学状況について質問紙による調査を行なった1)。そのさい,就学年齢を過ぎても就学できずに,幼稚園その他通園施設にも通っておらず,入院または施設にも入所せず,家庭にいるものが約39%みられた。児童福祉や教育,児童精神科医療などからはみ出しているこれらの児童については,早急にその対策が講ぜられなければならないにもかかわらず,現実には,これらの子供達がどのような状態におかれているのか,またその親や家族たちが当面している困難度や子供に対する処置の緊急性の実情については,十分な実態が明らかにされていないように思われる。
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