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特集 内因性精神病の生物学的研究
現状と今後の展望
著者: 高橋良1
所属機関: 1長崎大学医学部精神神経医学教室
ページ範囲:P.926 - P.938
文献購入ページに移動I.はじめに
生物学的研究の分野は遺伝学的研究を始めとし広範な領域に亘るとともに,その研究論文は世界各国から莫大な数で報告されている。ここ数年来特に欧米諸国で生物学的精神医学に関する学会やシンポジアムが数多く開かれ,また新しい成果が出版されているのをみると,筆者一人でその情報をすべて的確に把握してまとめることは至難のわざといわざるを得ない。
したがってこの総論では,もっぱら内因性精神病の病因を目指して行なわれている病態生理学的研究の現況を展望し,今後の方向づけの参考にしたいと考える。神経生理学的研究や行動科学的研究などは各論にゆずることにし,また精神病の身体病理についても我国でここ数年来すでに詳細な論述1)2)3)が少なくないので,ここでは最近の研究に限り,しかも一応研究仮説を提出しうる程度の継続的な研究について要点をのべることにする。
生物学的研究の分野は遺伝学的研究を始めとし広範な領域に亘るとともに,その研究論文は世界各国から莫大な数で報告されている。ここ数年来特に欧米諸国で生物学的精神医学に関する学会やシンポジアムが数多く開かれ,また新しい成果が出版されているのをみると,筆者一人でその情報をすべて的確に把握してまとめることは至難のわざといわざるを得ない。
したがってこの総論では,もっぱら内因性精神病の病因を目指して行なわれている病態生理学的研究の現況を展望し,今後の方向づけの参考にしたいと考える。神経生理学的研究や行動科学的研究などは各論にゆずることにし,また精神病の身体病理についても我国でここ数年来すでに詳細な論述1)2)3)が少なくないので,ここでは最近の研究に限り,しかも一応研究仮説を提出しうる程度の継続的な研究について要点をのべることにする。
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