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特集 内因性精神病の生物学的研究
精神医学領域における睡眠および夢の精神生理学的研究—夢の縦断的研究を中心に
著者: 大熊輝雄1 織田尚生1
所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.1021 - P.1030
文献購入ページに移動Aserinsky and Kleitman(1953,1955)によって急速眼球運動を伴う特殊の睡眠期が発見され,Dement,Jouvetその他の研究者によって,この睡眠期が賦活睡眠,逆説睡眠などとしてその生理学的重要性ならびに夢との関連が指摘されて以来,睡眠の研究はこの特殊な睡眠期(本稿ではREM睡眠期と呼ぶ)の問題を中心に展開されてきた。このような新しい睡眠の研究は,最初は主として神経生理学的研究を中心に進められたが,最近ではJouvetら(1969)によるアミン仮説の提唱などによって,神経化学的方面からの接近もさかんに行なわれてきている。
このように,睡眠の問題がREM睡眠という観点から新たに再検討されるようになるにつれて,精神医学領域でも,内因精神病の睡眠を中心に,睡眠の研究がさかんに行なわれるようになった。このような精神疾患における睡眠の研究は,脳波,眼球運動,筋電図などの同時描記によるポリグラフィ所見にもとついて,睡眠をREM期を含むいくつかの段階に分け(たとえばDement and Kleitman 1957の基準を用いて),それらの各睡眠段階の出現率や全睡眠時間などから,睡眠を客観的に量的ならびに質的に観察する方法がその主流であった。
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