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文献詳細

雑誌文献

精神医学13巻12号

1971年12月発行

文献概要

特集 社会変動と精神医学

近代化・現代化はなにをもたらすか—精神医学的研究への手引き

著者: 祖父江孝男1

所属機関: 1明治大学政経学部,文化人類学

ページ範囲:P.1133 - P.1138

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I.はじめに:近代化と現代化
 日本の社会は,とくに最近,さまざまな面において著しい変化をとげつつある。本稿においては,とくに精神衛生上の問題をふくんでいると思われる諸変化の現状を文化人類学の立場から総括して概観することにしたい。精神医学の方々が今後これらの問題について研究を進めていかれる上のお役に立てば幸いである。
 まず最初に《近代化》という概念,そしてこれと並んだ,というよりはむしろこれとはっきり区別して最近使われている《現代化》なる概念について明確にしておきたい。現代化の方は欧米において作られた“modernization”なることばの訳であるが,現代化の方はむしろ日本,ことに京都の学者の間で使われ始めたもので,“contemporalization”なる英語の方も欧米では使用されていない。しかし1970年代における日本社会に起こっている諸変化を理解する上にはなはだ適切で欠くことのできないのがこの現代化なる概念だと思われるのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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