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特集 社会変動と精神医学
社会体制と精神障害
著者: 小田晋1
所属機関: 1東京医科歯科大学犯罪心理学研究室
ページ範囲:P.1175 - P.1182
文献購入ページに移動 社会体制が精神障害に及ぼす影響についてとくに資本主義前期,ファシズム期,後期資本主義,社会主義の各体制のもとからえられた資料および研究を紹介しながら論じてみた。結局,精神障害の病態の変遷と社会体制から,文化の変容,イデオロギーの変化,および生活条件の変化を通じて与えられるインパクトとの間のある程度の関係は,確かにこれを見出しうるが,社会体制変化が精神障害の有病率にどの位の変化を与えるか,ということにはなお疑問の点が多く残されているといえる。現在,資本主義・社会主義の両体制を通じて行なわれている社会・文化的変動が,精神障害者の社会的位置,病態に及ぼす影響についても,いくつかの可能性の類型を呈出して考察してみたが,なお未知の部分が多いといえる。
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