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文献詳細

雑誌文献

精神医学13巻2号

1971年02月発行

文献概要

研究と報告

慢性Meprobamate中毒—禁断症状を中心として

著者: 松下昌雄1 梶谷哲男1

所属機関: 1中央鉄道病院精神神経科

ページ範囲:P.131 - P.139

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I.はじめに
 MeprobamateはPropandiol誘導体(化学名は2-Methyl-2-n-Propyl-1,3-Propandiol dicarbamate)で,1950年LudwigおよびPiechにより合成された。その後薬効および無害性,非習慣性を保証した数多くの報告1)〜4)とともに普及した。一方,これらの報告と相前後して,1956年Lemere5)によってMeprobamateに習慣性があると同時に,その禁断時にけいれん発作を生ずることが報告された。それ以来,引き続きBarsa & Kline6),Bokenjic & Trojaberg7),Dickel & Dixon8),Ewing & Haijlip9),Greaves, D. C. and West, L. J. 10),Stought, A. R. 11),Essig & Ainslie12)らが相ついで同様の報告をした。その間Essig13),Swinyard14)は犬およびマウスで多量のMeprobamateの投与を急に中止した場合けいれん発作が生ずることを確認した。
 わが国においては,1957年成瀬15)が長期投与には注意を要することを述べ,また,同年中ら16)は,はじめて,副作用としての全身攣縮を報告した。1959年奥村,池田が17)慢性Meprobamate中毒者で,禁断時にけいれん発作を生じた30歳の男子の症例について,はじめて詳しい報告をした。ついで,1961年池田ら18)は再び同様の1症例を追加報告した。その後引き続き,鳥居19),高橋ら20)向井ら21),田野ら22)が同様の症例報告を重ねた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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