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文献詳細

雑誌文献

精神医学13巻3号

1971年03月発行

文献概要

研究と報告

高齢の精神病患者にみられる常同的運動について

著者: 杉本直人1 星融1 森崎郁夫1

所属機関: 1岐阜大学医学部神経精神科

ページ範囲:P.241 - P.246

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 1)60歳以上の高齢の精神病患者計188名において常に同じ言動がくり返されるということを指標として,常同的な現象を考察した。
 2)われわれの対象者においては同じ言葉が反復されるという現象(Verbigeration)を呈した患者はみとめられず,同じ行動が反復されるという行動面での常同的現象しかみとめられなかった。
 3)この常同的現象を呈した例は計20名であり,そのなかで,咀嚼運動様の口をもぐもぐさせる現象を呈する例が17名にみとめられた。
 4)この咀嚼運動様の常同現象は,反復症(Iteration)の特性を持つと考えられた。
 5)この反復症は高等な統制機能の失われた精神的に痴呆ないし荒廃化した状態で出現しており,痴成と関係していることを論じ精神病理的に空間性の問題などとしては最早論じえず,また脳病理学的には脳の局在性の問題と関連して論じえられぬであろうと結論した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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