文献詳細
研究と報告
Flupentixol(FX-703)の使用経験
著者: 仮屋哲彦1 平山正実1 島薗安雄1
所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神医学教室
ページ範囲:P.263 - P.274
文献概要
(2)初回投与量は3〜5mg,最大投与量は8mgであった。症状改善の常用量は3〜6mg位と考えられられ、る。ほとんどの症例で,抗パーキンソン剤を併用した。
(3)投与期間は,3〜24週であり,改善例では1〜2週で効果があらわれ始め,多くは5〜6週で改善をみている。
(4)精神症状評価表と行動評価表による効果判定で,比較的よく改善された症状としては,自我障害,妄想,幻覚,動作,患者同志および家族との接触,娯楽運動への参加,作業能力,看護者への応対などがあげられる。
(5)副作用は17例中12例にみられた。なかでも睡眠障害は最も多くの症例で出現し,次いで錐体外路症状が多くみられた。その他,心悸亢進,便秘,食欲減退などがみられた。これらの副作用は,抗パーキンソン剤や睡眠剤の使用により多くは消失した。
血圧,尿所見,血液所見,血清肝機能検査について投薬前後の値を比較検討したが,著変はみられなかった。
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