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特集 向精神薬をめぐる問題点
抗てんかん剤の作用機序
著者: 田縁修治1 岡田導夫1 後藤蓉子2
所属機関: 1関東逓信病院精神科 2式場病院
ページ範囲:P.421 - P.427
文献購入ページに移動てんかんに関しては現在では臨床的,実験的に多くの知見がつみ重ねられ,一方では抗てんかん剤の相つぐ発見によって,その薬剤治療も今世紀のはじめ頃と比較すると飛躍的な進歩をとげている。また各種の抗てんかん剤についても,体内での代謝過程が克明に分析される一方,精密な電気生理学的,生化学的方法を用いて多くの研究が行なわれ,その作用もかなり立ち入って解析されている。しかし,これらのデータを人体における臨床効果と比較考察した場合,これらが抗てんかん剤の一面の効果を説明できるにせよ,果たして窮極的な作用機序まで明らかにしえたかというと,まだ疑問の余地が多々残っている。
そこで,われわれは今回はこのような最も基本的な問題は一応おいて,現在われわれの理解している抗てんかん剤についての基礎知識から,各種の抗てんかん剤が,異なったてんかん発作型にいかに作用するかを考察して,これを臨床治療の場に資することを考えてみたい。文中,作用機序というのはこのような意味であることを,予めご了承いただきたい。
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