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文献詳細

雑誌文献

精神医学13巻5号

1971年05月発行

文献概要

特集 向精神薬をめぐる問題点

副作用論—副作用とはなにか

著者: 加藤伸勝1

所属機関: 1東京都立松沢病院

ページ範囲:P.461 - P.468

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I.はじめに
 薬剤による副作用は,一般的には,その薬剤の奏効器官の病的状態を取除く効果を主作用とすれば,その器官またはその他の器官に副次的におこる不都合な作用adverse reaction,のぞましくない作用undesirable effectをさしている。Zbinden1)によれば,薬剤による副作用は別名"disease of medical progress"ともよばれるという。医療の効果を挙げようとする要求は,次々に新しい薬剤をうむが同時に新しい副作用も生まれるのであって,よりよい医療のために副作用は差し当って支払わねばならぬ代価の一部であるともいう。副作用とは薬効にとって除去できない共生物なのだろうか。
 薬剤は本来,生体にとっては異物である。異物が生体内に入れば,生体は防禦反応を示す。その防禦反応がある細胞の機能にとって,「正の方向」に働けば,主作用になるし,「負の方向」に働けば副作用になると考えるのが薬剤効果の一般論である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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