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文献詳細

雑誌文献

精神医学13巻5号

1971年05月発行

特集 向精神薬をめぐる問題点

向精神薬の心臓・血管系に及ぼす影響—Phenothiazine系薬物を中心として

著者: 酒井正雄1 大西一徳2 小林秀雄2

所属機関: 1横浜市立大学医学部神経科学教室 2大和病院

ページ範囲:P.477 - P.484

文献概要

I.はじめに
 Phenothiazine系薬物が心臓・血管系に対して種種の影響があることはその使用当初から気づかれており,起立性低血圧も含めた低血圧,頻脈あるいは毛細血管拡張などは,これらの薬物投与中にしばしば見られる副作用としてあげられてきたことは周知のことである。これらの症状は,しかし,多くの場合,患者にとっては不快なものではあるが,重篤な変化とはいえないし,また投与方法を慎重に考慮することや対症療法を行なうことで,かなりこれらの症状の発現を軽減あるいは調節できることが多いこともあって,あまり注意されることもなく現在にいたっている。
 しかし,phenothiazine系薬物の心臓・血管系に対する影響は単にこれらの臨床所見に止まらず,心電図に変化を与え,時には重篤な不整脈や伝導障害を起こして死に到ることもあることが明らかになってきた。私達はこのような心電図の変化について,私達の経験と従来の報告をまとめてみたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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