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研究と報告
急性間歇性ポルフィリン症の2症例—その臨床経過とポルフィリン精神病について
著者: 八木和一1 針貝正純1 新里邦夫1
所属機関: 1鹿児島大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.711 - P.719
文献購入ページに移動ポルフィリン症は尿中に多量のポルフィリン体,およびその前駆物質を排泄する先天性代謝異常疾患の一つであり,骨髄性ポルフィリン症と肝性ポルフィリン症に分類されている1)。
肝性ポルフィリン症は,さらに急性間歇性ポルフィリン症(acute intermittent porphyria,以下AIP),混合型または異型ポルフィリン症(mixed or variegated porphyria,以下VP),肝性皮膚ポルフィリン症(porphyriacutanea tarda hereditaria),遺伝性コプロポルフィリン症(hereditary coproporphyria,以下HCP)などに分類されている2)。これらの分類の中で最も頻度の高いものはAIPであり,臨床的に腹部症状,神経症状,精神症状を呈するといわれている3)。しかし,実際にはこれらの症状が種々組み合わされて病期や症例によって多彩な症状を呈するために種々の疾患と誤診されやすい2)。発病年齢は本邦症例では15歳から62歳にわたり,その約半数は20歳代に発病している。女性に頻度が多く,男女比は,ほぼ2:3である。しかし,性に無関係の優性遺伝を示すといわれている3)〜5)。
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