文献詳細
研究と報告
躁うつ病における尿中カテコールアミンならびに尿中17-KS排泄に関する研究
著者: 松本啓1 松下兼介1 神崎康至1 吉田修三1 畠中裕幸1 川池浩二1
所属機関: 1鹿児島大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.909 - P.916
文献概要
近年,精神疾患の病態生理学的研究が,さかんに行なわれるようになり,精神と身体的変化との関連性が次第に明らかになりつつあり,躁うつ病についても,各種の病態生理学的研究がさかんに行なわれ,特にアミン,電解質代謝が重要視されている。われわれも主として躁うつ病を対象として,その自律神経,内分泌機能検査,ポリグラフ的研究および生化学的研究を行なっており,その病態生理を多角的に把握し,精神と身体的変化の関連を検討している。
本研究は,上述のごとく躁うつ病の精神生理学的研究の一端として,主として本疾患における尿中カテコールアミンならびに17-KSの排泄を検索するとともに,症状の推移と対比しながら,縦断的に観察し,あわせて,これらの尿中カテコールアミンおよび17-KSに対する向精神薬のおよぼす影響をみる目的で行なった。
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