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研究と報告
徐波連続を伴う昏迷について
著者: 佐藤光源1 上藤恵子1 黒田邦彦2
所属機関: 1岡山大学医学部神経精神医学教室 2岡山労災病院神経科
ページ範囲:P.23 - P.31
文献購入ページに移動昏迷状態を数時間から3日間にわたって,反復して挿間性に呈した症例を最近私たちは経験した。しかもその挿間性昏迷のさい,脳波で徐波連続を示し,それがdiazepamその他の各種薬物投与に対して,きわめて特異的な反応を呈した。この興味ある症例は昏迷の病態生理について何らかの示唆をなげかけている。
昏迷は精神科領域では比較的よくみられる状態であるが,無言,無動を主な現象型とし,そのさいの意識体験をあとで追想させることによって診断するという形で状態を把握してきたため,客観化するのが非常に難しい。そのため,この状態における意識レベルについてはいろいろな論議がなされるわけで,のちの考察でふれるように意識清明を前提とする立場や意識混濁の系のなかにこれを置く立場がある。
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