文献詳細
研究と報告
文献概要
I.緒言
刑事被告人の精神鑑定については,精神医学的にも法学的にもすでに久しく活発に論ぜられ,実践も多々積重ねられて,発表論文も尨大な数にのぼる。しかし,鑑定例の予後に関する報告はきわめて数少なく,ことにわが国においては皆無というに等しい。このことは単に精神科医にとってのみならず,判事をはじめ司法分野の人々にとっても残念なことというべきであろう。
一方,分裂病の潜伏期や初期に唐突で残虐な謎のごとき殺人を行なう者がみられ,海外では,Glaser(1934)やWilmanns(1940)などの研究があるが,わが国ではこの方面の研究もまた等閑視されているかに思われる。
刑事被告人の精神鑑定については,精神医学的にも法学的にもすでに久しく活発に論ぜられ,実践も多々積重ねられて,発表論文も尨大な数にのぼる。しかし,鑑定例の予後に関する報告はきわめて数少なく,ことにわが国においては皆無というに等しい。このことは単に精神科医にとってのみならず,判事をはじめ司法分野の人々にとっても残念なことというべきであろう。
一方,分裂病の潜伏期や初期に唐突で残虐な謎のごとき殺人を行なう者がみられ,海外では,Glaser(1934)やWilmanns(1940)などの研究があるが,わが国ではこの方面の研究もまた等閑視されているかに思われる。
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