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研究と報告
分裂病者の的はずれ応答の数量的評価と治療経過—とくに分裂病症状に対する向精神薬と働きかけの単独効果と併用効果について
著者: 八木剛平1
所属機関: 1皆川病院
ページ範囲:P.911 - P.917
文献購入ページに移動1)はじめの1年間は2名の看護者が指導を行なった。働きかけの方法は統一せず,向精神薬を投与し,その種類も量も適宜に変更した。的はずれ応答は次第に減少し,第41回で消失した。治療者によって患者のでたらめの程度には有意の差があった。
2)次の1年間は推定された治療的要因を確認したのち,それらを計画的に組み合わせた。治療者は3名であった。
a)働きかけを言葉による矯正に統一し,向精神薬を投与しないで働きかけを行なうと,症状は有意の減少を示した。
b)治療者間の差は働きかけの方法を統一することで緩和されたが,勧誘に対する拒否反応の頻度について差が認められた。
c)働きかけを行なわないで向精神薬を投与した場合には,症状は有意の減少を示さなかった。
d)向精神薬を投与しつつ働きかけを行なった場合に,症状は急速かつ大幅に減少した。この減少の速度と幅は向精神薬なしで働きかけた場合にくらべてはるかに顕著であった。
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