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文献詳細

雑誌文献

精神医学14巻10号

1972年10月発行

文献概要

研究と報告

無爲自閉的な慢性分裂病者への作業療法—グループ作業療法の治療的意義について

著者: 内村英幸1 斎藤雅1 江口ミチ子1 内田美智子1 納富峰男1 松隈仁1 江原富美枝1

所属機関: 1国立肥前療養所

ページ範囲:P.919 - P.927

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I.緒言
 言語的レベルでの精神療法的接近も向精神薬物療法の効果も期待できない,慢性分裂病者に対しては,生活作業療法的な働きかけがなされてきた。しかし,現在の生活作業療法に対しては,治療理念の喪失によるマンネリ化が批判されている。この批判は,今までの作業療法に関する研究が,多くの示唆を与えながらも12),経験的レベルに終わりがちで,作業療法によって変化してゆく慢性分裂病者の心理状態を分析検討しながら,作業療法の技術化,理論化の試みが,あまりなされなかったためだといえるのではなかろうか。われわれは,作業療法の原点からこの問題を再検討してゆくことを目的に,終日無為好褥的で自閉的な慢性分裂病者を対象にグループ作業療法を試みてきた。この論文では,症例をあげ慢性分裂病者の変化を分析しながら,グループ作業療法の治療的意義について検討を加えたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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