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研究と報告
嗜癖者多発家族の研究
著者: 大原健士郎1 宮里勝政1 本間修2
所属機関: 1慈恵会医科大学精神神経科教室 2多摩川保養院
ページ範囲:P.929 - P.933
文献購入ページに移動アルコール中毒や薬物依存が発現する背景は非常に複雑で,生来性の素質のみを重視することはできないし,そうかといって,環境的因子や心理学的因子のみをとりあげて論ずることもできない。したがって,その病因論も多く,そのいずれもが問題とかかわり合いをもっている。これらについては,後に詳しく考察するつもりであるが,現在,この問題を解明してゆこうとするには,ケースを重ねて,それを多角的に検討してゆくことこそ大切なことと考えられる。ここで報告するケースは,一家族構成員のすべてにアルコール中毒または薬物依存が発現したものであり,われわれは各症例の発病要因を分析検討することにより,家族精神医学的アプローチを試みたいと考えた。
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