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文献詳細

雑誌文献

精神医学14巻10号

1972年10月発行

文献概要

C.P.C. 松沢病院臨床病理検討会記録・12

進行麻痺(Lissauer型)の1例

著者: 松下正明1 石井毅1 吉田哲雄1

所属機関: 1都立松沢病院神経病理研究室

ページ範囲:P.951 - P.956

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I.はじめに
 精神医療において今昔の差の最もはなはだしいのは進行麻痺のあり様ではあるまいか。現在は急性例の入院は当院で年に数例をかぞえるのみであり,若い医者には熱療法の経験をもたぬ人が多くなった。また入院患者をみても進行麻痺者の数は当院で3.3%(1130名内38名,昭和47年7月)にすぎない。しかし梅毒は潜行性に蔓延しているといわれ,近い将来進行麻痺が再び増加する可能性は否定できない。進行麻痺は精神障害の中で早期発見,早期治療が決定的に重要性をもつ数少ない疾患の一つであることを思えば,頻度の減少にもかかわらず,いやそれゆえにこそ救いうる患者を誤診により廃人とすることは許されない。その意味でも本例を取り上げる意味がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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