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文献詳細

雑誌文献

精神医学14巻11号

1972年11月発行

文献概要

研究と報告

精神症状を前景とした予後良好な脳炎

著者: 岡田文彦1 遠藤雅之1 斎藤嘉郎1 高橋三郎1

所属機関: 1北海道大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.1013 - P.1020

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 病初期に発熱,意識障害,神経学的陽性所見などの脳炎症状を欠き,精神症状のみを前景とした予後良好な脳炎の3例を報告した。病初期より認められた主な精神症状は,ヒステリー症状および緊張病症状であり,これらの症状の背後には,把握困難ではあったが,軽い意識障害が存在したと考えられた。したがって脳炎としての診断は,脳波検査,髄液検査とともに,相当期間の経過観察ののちに,初めて可能となった。さらに,病状消失後も3例中2例に脳波異常が明瞭となったので経時的脳波検査の重要であることを付け加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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