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研究と報告
症状精神病の個別的特徴性について
著者: 原田憲一1
所属機関: 1信州大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.1028 - P.1032
文献購入ページに移動I.緒言
症状精神病を取り扱った人の多くがその「病像の非特異性」,「多様の基礎疾患に対する一様の精神反応性」を認め,すなわちBonhoeffer1)の外因反応型概念の正当性を認めて,その中にすっぽり身を入れながらも,しかもその当面している一定の症状精神病の病像に他の症状精神病とは異なったある特殊な色彩をしばしば感じとっていることも事実である。それなのにBonhoefferの概念の偉大さに眩惑されてか,それ以後症状精神病それぞれの病像の特徴性についての探求が軽視されてしまい,各症状精神病の特徴をみようとする視点からの症状精神病病像のくわしい記載は集積されないで過ぎてきた。
しかしそれはおかしなことであって,Bonhoefferが病因の多様性に対する精神反応の一様性というときの「一様」とは,すなわち「外因反応諸型」という一つの大きな範疇そのものである。その中に多くの症状群が含まれているのであって,当然そこにいろいろの病像構成上の特徴があってさしつかえないはずである。
症状精神病を取り扱った人の多くがその「病像の非特異性」,「多様の基礎疾患に対する一様の精神反応性」を認め,すなわちBonhoeffer1)の外因反応型概念の正当性を認めて,その中にすっぽり身を入れながらも,しかもその当面している一定の症状精神病の病像に他の症状精神病とは異なったある特殊な色彩をしばしば感じとっていることも事実である。それなのにBonhoefferの概念の偉大さに眩惑されてか,それ以後症状精神病それぞれの病像の特徴性についての探求が軽視されてしまい,各症状精神病の特徴をみようとする視点からの症状精神病病像のくわしい記載は集積されないで過ぎてきた。
しかしそれはおかしなことであって,Bonhoefferが病因の多様性に対する精神反応の一様性というときの「一様」とは,すなわち「外因反応諸型」という一つの大きな範疇そのものである。その中に多くの症状群が含まれているのであって,当然そこにいろいろの病像構成上の特徴があってさしつかえないはずである。
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