文献詳細
研究と報告
振戦・筋強剛・痙攣発作・両手の筋萎縮および人格変化と痴呆を呈した初老期疾患の1例—分類困難な初老期痴呆
著者: 柏瀬宏隆1 上島国利1
所属機関: 1慶応大学医学部精神神経科学教室
ページ範囲:P.1035 - P.1041
文献概要
近年motor neuron diseaseを伴う痴呆で,臨床的に従来のALS,Alzheimer病,Pick病,Creutzfeld-Jakob病,Parkinsonism-Dementia Complexなどの診断基準に一致せず分類困難な症例が幾つか報告されている1〜7)。
われわれは,遺伝歴を認めずに,初老期に性格変化,痴呆などの精神症状と,振戦,筋強剛,筋萎縮,痙攣などの多彩な神経症状で発症し,約6年間の経過を有する初老期疾患を経験したので,その臨床経過をここに報告し,その疾病学上の位置づけについて,従来の報告例との比較から2〜3の考察を加えた。
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