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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

高齢の分裂病患者におけるPraecoxgefühlについて—Praecoxgefühl成立の背景に関する一考察

著者: 杉本直人1 赤座叡1 関谷重道1 四十塚竜雄1 天野宏一1

所属機関: 1岐阜大学医学部神経精神科

ページ範囲:P.237 - P.243

 われわれは分裂病と診断されている高齢の患者において,彼らが状態像に大きな相違を示していたことを知り,彼らの分裂病という診断を疑うことから出発し考察を進めた。
 高齢者では縦断的な観察によって分裂病を診断しあるいは確認することが困難であるという条件がそろっているため,横断的な観察によらなければならず,ここで分裂病診断の有力な決め手の一つであるP. G. の問題を論じた。
 高齢者ではP. G. の感得されえた症例は少なかったという事実を確認するとともに,高齢者では分裂病の診断あるいは確認が困難であることをのべた。
 分裂病以外の患者においてP. G. の感得された症例を根拠とし,P. G. は分裂病にのみかかわるものでないことを論じた。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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