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文献詳細

雑誌文献

精神医学14巻3号

1972年03月発行

文献概要

研究と報告

CS-370の精神神経科領域疾患に対する臨床効果について

著者: 大海作夫1 田中義1 有岡巌1 西村公宏1 浅尾之彦1 中野志隆1 橋本栄修1 夏目誠1

所属機関: 1奈良県立医科大学神経精神科学教室

ページ範囲:P.253 - P.266

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I.緒言
 このたび,三共株式会社中央研究所において開発されたCS-370は,化学名を10-chloro-11b-(0-chlorophenyl)-2, 3, 5, 6, 7, 11b-hexahydrobenzo(6, 7)-1.4-diazepino-(5, 4-b)oxazol-6-oneと称し,融点(分解点)204〜206℃を示し,無味,無臭の白色結晶性粉末で下記の構造を有する化合物である。
 本剤はchlordiazepoxide,diazepamおよびさきに三共株式会社において開発されたoxazolam(セレナール)と同じくbenzodiazepine誘導体の一種で,これらと類似の化学構造を有しており(図1),薬理実験でも本剤はdiazepamと同程度の馴化作用,闘争反応抑制作用が認められている。しかし一方,本剤の毒性はdiazepamに比べてはるかに低く,強力な静穏作用を有するので安全性の高い精神調整剤として有望であると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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