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研究と報告
遁走の力動的構造分析
著者: 小林亮三1
所属機関: 1国立札幌病院精神科神経科
ページ範囲:P.549 - P.555
文献購入ページに移動従来から遁走はその突発的な発症のためにいゆる衝動行為にかぞえられ,「基礎疾患」の一症状として症候論的に,あるいは心理学的に研究されてきた。このことはあとにのべる研究の歴史で明らかにされる。
しかしこのような方法論でとらえられた遁走は,疾病論の擁護と確立あるいは心理学的機制の解明には役立ったが,反面,遁走という行為そのものの意味は見逃され,究明されることのないままに経過してきたように思う。
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