文献詳細
研究と報告
文献概要
I.はじめに
従来から遁走はその突発的な発症のためにいゆる衝動行為にかぞえられ,「基礎疾患」の一症状として症候論的に,あるいは心理学的に研究されてきた。このことはあとにのべる研究の歴史で明らかにされる。
しかしこのような方法論でとらえられた遁走は,疾病論の擁護と確立あるいは心理学的機制の解明には役立ったが,反面,遁走という行為そのものの意味は見逃され,究明されることのないままに経過してきたように思う。
従来から遁走はその突発的な発症のためにいゆる衝動行為にかぞえられ,「基礎疾患」の一症状として症候論的に,あるいは心理学的に研究されてきた。このことはあとにのべる研究の歴史で明らかにされる。
しかしこのような方法論でとらえられた遁走は,疾病論の擁護と確立あるいは心理学的機制の解明には役立ったが,反面,遁走という行為そのものの意味は見逃され,究明されることのないままに経過してきたように思う。
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