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精神運動発作重積症について
著者: 浜中淑彦1
所属機関: 1京都大学医学部精神神経科
ページ範囲:P.592 - P.603
文献購入ページに移動I.はじめに
Status epilepticusといえば通常はてんかん大発作重積症のことで,これは決してまれな状態ではない(Hunterによれば2404例のてんかん中1.3%,Janzによれば3750例の3.7%,Lennoxの小児てんかん例では7.5%)とされ,また小発作重積症の文献例は少なくなく,近年その性質や周辺例をめぐって活発な論議が行なわれており(Niedermeyer,Hess,細川),種々の亜型が記載されている。これに反して精神運動発作や側頭葉発作の重積症については,ごく最近までその有無もはっきりせず,1960年代後半に至って漸く主としてドイツ語圏でこれについての論議が散見されるようになったが,「その臨床像が如何なるものであるのか,また一つないしいくつかの明確に定義される臨床・脳波学的症状群がとり出される日が来るか否か,についてはなお議論が進行中」(Janz)である。われわれは最近精神運動発作重積症と考えてよい症例を観察する機会を得たので報告し,文献展望,位置づけなどを試みたい。
Status epilepticusといえば通常はてんかん大発作重積症のことで,これは決してまれな状態ではない(Hunterによれば2404例のてんかん中1.3%,Janzによれば3750例の3.7%,Lennoxの小児てんかん例では7.5%)とされ,また小発作重積症の文献例は少なくなく,近年その性質や周辺例をめぐって活発な論議が行なわれており(Niedermeyer,Hess,細川),種々の亜型が記載されている。これに反して精神運動発作や側頭葉発作の重積症については,ごく最近までその有無もはっきりせず,1960年代後半に至って漸く主としてドイツ語圏でこれについての論議が散見されるようになったが,「その臨床像が如何なるものであるのか,また一つないしいくつかの明確に定義される臨床・脳波学的症状群がとり出される日が来るか否か,についてはなお議論が進行中」(Janz)である。われわれは最近精神運動発作重積症と考えてよい症例を観察する機会を得たので報告し,文献展望,位置づけなどを試みたい。
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