文献詳細
紹介
—W. Schulte,R. Tolle 著—Psychiatrie
著者: 下坂幸三1 飯田真1
所属機関: 1順天堂大学医学部精神医学教室 2都立大学人文学部心理学科
ページ範囲:P.866 - P.870
文献概要
W. SchulteはE. Kretschmerの後をうけて,1960年Tubingen大学の主任教授となり,爾来ドイツ精神医学界において指導的役割を果たしてきた。彼の主要研究領域はてんかん,躁うつ病,嗜癖,老人精神医学,病院精神医学,精神療法など多岐にわたっている。広範な視点,独自な逆説的発想,鋭い臨床的洞察と暖かな臨床的実践が彼の身上であり,彼は本書においてではないが,かつて評者宛の私信で,自らの立場をkonstellative Psychiatrieとよび,「差し当って原因との関係を詮議せず,身体的,心理的,社会的な所見を同時に記載し,これらの関連を冷静に直視することである」とのべている。
掲載誌情報