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研究と報告
正常者と精神分裂病者の大きさの恒常性
著者: 小川俊樹1
所属機関: 1茨城大学人文学部心理学教室
ページ範囲:P.49 - P.54
文献購入ページに移動(2)実験結果は次のとおりである。
a)両眼視では,一般大学生群と精神分裂病者群間に差異はほとんど認められなかったが,単眼視条件での恒常度の低下率において両群間の差異が最も顕著に認められた(t=2.93,P<.01,df=27)。
b)一般大学生群では単眼視条件で恒常度の低下が認められたが(t=4.19,P<.005,df=34),精神分裂病者群では一般大学生ほどの低下を認めることができなかった。
c)ロールシャッハ・テストおよび固執性検査結果から,単眼視による恒常度の低下を妨げる一因として,固執傾向をまったく否定することはできなかった。しかしながら,その傾向は顕著なものとは認められなかった。
(3)以上の諸結果から,両眼視条件での恒常度の相違は被験者間の差異と考えられ,単眼視条件での恒常度の低下率の相違は被験者群間の差異,すなわち疾患有無の差異と考えられる。
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