文献詳細
研究と報告
文献概要
(1)本研究は大きさの恒常性を両眼視および単眼視(右眼)という条件下で調べ,精神分裂病者,一般大学生という被験者の違いによりどのような相違がみられるかを明らかにし,視知覚差を考察しようとするものである。
(2)実験結果は次のとおりである。
a)両眼視では,一般大学生群と精神分裂病者群間に差異はほとんど認められなかったが,単眼視条件での恒常度の低下率において両群間の差異が最も顕著に認められた(t=2.93,P<.01,df=27)。
b)一般大学生群では単眼視条件で恒常度の低下が認められたが(t=4.19,P<.005,df=34),精神分裂病者群では一般大学生ほどの低下を認めることができなかった。
c)ロールシャッハ・テストおよび固執性検査結果から,単眼視による恒常度の低下を妨げる一因として,固執傾向をまったく否定することはできなかった。しかしながら,その傾向は顕著なものとは認められなかった。
(3)以上の諸結果から,両眼視条件での恒常度の相違は被験者間の差異と考えられ,単眼視条件での恒常度の低下率の相違は被験者群間の差異,すなわち疾患有無の差異と考えられる。
(2)実験結果は次のとおりである。
a)両眼視では,一般大学生群と精神分裂病者群間に差異はほとんど認められなかったが,単眼視条件での恒常度の低下率において両群間の差異が最も顕著に認められた(t=2.93,P<.01,df=27)。
b)一般大学生群では単眼視条件で恒常度の低下が認められたが(t=4.19,P<.005,df=34),精神分裂病者群では一般大学生ほどの低下を認めることができなかった。
c)ロールシャッハ・テストおよび固執性検査結果から,単眼視による恒常度の低下を妨げる一因として,固執傾向をまったく否定することはできなかった。しかしながら,その傾向は顕著なものとは認められなかった。
(3)以上の諸結果から,両眼視条件での恒常度の相違は被験者間の差異と考えられ,単眼視条件での恒常度の低下率の相違は被験者群間の差異,すなわち疾患有無の差異と考えられる。
掲載誌情報