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文献詳細

雑誌文献

精神医学15巻1号

1973年01月発行

研究と報告

二重盲検法によるDoxepinとDiazepamの不安神経症に対する薬効比較

著者: 鳥居方策1 江畑敬介2

所属機関: 1金沢大学医学部神経科精神科 2富山県立中央病院神経精神科

ページ範囲:P.85 - P.95

文献概要

 新しいdibenzoxepin誘導体であるdoxepinの不安神経症などに対する薬効を客観的に評価する目的で,現在標準的治療薬の1つと目されるdiazepamを対照薬として,二重盲検法によるcontrolled trialを行なった。対象は当科外来を訪れた不安神経症または不安を主症状の1つとする神経症の患者53名である。患者の性別,年齢,状態像などをできるだけmatchさせてpairを組んだが,3名は脱落し,4名はpairを組めず,残りの46名により23組のmatched pairが成立した。投薬期間は4週以上とした。
 効果判定には,担当医の概括的比較判定global comparative judgement,全般改善度general improvement ratingおよびHamiltonのrating scaleを改良した症状評価尺度による症状項目別改善度比較を用いた。
 概括的比較判定により,23組のmatched pairのうち2組はtied pairとなり,他の21組はuntied pairとなった。21組のuntied pairのうち,doxepin優勢は9組,diazepam優勢は12組であった。これらをArmitageの限界法により逐次検定したところ,両薬剤の効果には有意差なしと結論された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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