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文献詳細

雑誌文献

精神医学15巻10号

1973年10月発行

研究と報告

S-1530(1-methyl-7-nitro-5-phenyl-1,3-dihydro-2H-1,4-benzodiazepin-2-one)のヒトの終夜睡眠脳波に対する影響

著者: 橘久之1 小鳥居衷1 中沢洋一1 稲永和豊1

所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科学教室

ページ範囲:P.1093 - P.1098

文献概要

I.はじめに
 Benzodiazepine誘導体であるchlordiazepoxide,diazepam,nitrazepamなどは,代表的な緩和精神安定剤として臨床上ひろく用いられている。
 今回開発されたS-1530(住友化学)は同じbenzodiazepine誘導体で,化学名は1-methyl-7-nitro-5-phenyl-1,3-dihydro-2H-1,4-benzodiazepin-2-oneで図1のごとき構造式を有し,nitrazepamの1の位置のHがmethyl基に置換されたものである。動物実験における中枢神経系に対するS-1530の薬理作用はnitrazepamに近く,鎮静催眠作用,馴化作用,抗痙攣作用はほぼ同程度であるが筋弛緩作用は4倍くらい強力であり,毒性はきわめて低いことが確かめられている16)。またヒトにおける臨床効果についてはnitrazepamより速効性であると報告されている4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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