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文献詳細

雑誌文献

精神医学15巻11号

1973年11月発行

文献概要

研究と報告

特異な心因性健忘の1例—全生活史健忘との関連について

著者: 山縣博1 井上収司2

所属機関: 1東京都立府中療育センター 2上諏訪病院

ページ範囲:P.1203 - P.1212

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(1)夫との争いを原因としてGanser症状群を惹き起こし,ついで夫およびその一族,結婚後の住居,夫の友人など,夫と深いかかわりのあるすべてについて,長期間忘却している心因性健忘の一女性例を報告し,発病後の経過と,一部の健忘回復過程を併記した。
(2)本症状が全生活史健忘と非常に類似していることを述べ,同じ心理機制による同一カテゴリーの疾患という結論を得た。
(3)同じ心理機制から,一方では自己の全生活史健忘が,一方では他人の系統的健忘が惹起されるという相違は,患者本来のパーソナリティの相違によるものと推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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