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特集 精神障害と家族
配偶者の精神障害をめぐる諸問題—精神障害と結婚および離婚
著者: 畑下一男1
所属機関: 1関東労災病院精神神経科
ページ範囲:P.1291 - P.1299
文献購入ページに移動I.はじめに
配偶者というのは,いうまでもなく,法律用語で,「夫に対して妻を,また,妻に対して夫を,それぞれ指していうことば」である。それを借用して,わたしは,本稿のタイトルに使用したが,だからといって,ここで法学的な論考をしようと企てているわけではない。当初,わたしが与えられた課題は,副題に残してあるように,社会精神医学の重要な問題のひとつとして取り上げられた「家族」というテーマのなかで,「精神障害と結婚および離婚」について述べていることであった。
しかし,この課題は,少なくともわたしにとって,あまりにも厖大なとりとめのないものに思われた。実際,あれこれと思案はしてみたものの,どこに焦点を置いたらいいか途方に暮れるばかりだった。わたしの知るかぎり,いままで,わが国の社会精神医学において,「家族」というテーマが爼上にのせられたとき,「結婚」や「離婚」に関しては,あまり主題として論ぜられたことがなかったと思う。
配偶者というのは,いうまでもなく,法律用語で,「夫に対して妻を,また,妻に対して夫を,それぞれ指していうことば」である。それを借用して,わたしは,本稿のタイトルに使用したが,だからといって,ここで法学的な論考をしようと企てているわけではない。当初,わたしが与えられた課題は,副題に残してあるように,社会精神医学の重要な問題のひとつとして取り上げられた「家族」というテーマのなかで,「精神障害と結婚および離婚」について述べていることであった。
しかし,この課題は,少なくともわたしにとって,あまりにも厖大なとりとめのないものに思われた。実際,あれこれと思案はしてみたものの,どこに焦点を置いたらいいか途方に暮れるばかりだった。わたしの知るかぎり,いままで,わが国の社会精神医学において,「家族」というテーマが爼上にのせられたとき,「結婚」や「離婚」に関しては,あまり主題として論ぜられたことがなかったと思う。
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