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特集 精神障害と家族 紹介
家族精神療法と家族研究—分裂病者の家族治療における臨床的諸問題
著者: 高臣武史1
所属機関: 1国立精神衛生研究所
ページ範囲:P.1299 - P.1299
文献購入ページに移動 これは編者の1人であるRubinstein, D. の報告のタイトルであるが,他の演者のなかにもこれに言及している人が多い。
Alanen, Y. O. はかつて患者への同一視から患者の親や他の家族成員を攻撃していたこと,この攻撃と結びついた罪悪感が自分の心に生まれ,自分は攻撃されるのではないかとおそれ,ことにしばしばみられる支配的な患者の親の前で患者に対する忠誠を守りうるかどうか頼りなく感じていたこと,それが彼が家族治療を避けていた理由であることを告白している。これは多くの精神療法者にある気持であろう。しかし彼は自分の個人的な精神分析でこの不安は少なくなり,治療者として患者の親に関係をもてるようになったので家族治療を始めたという。
Alanen, Y. O. はかつて患者への同一視から患者の親や他の家族成員を攻撃していたこと,この攻撃と結びついた罪悪感が自分の心に生まれ,自分は攻撃されるのではないかとおそれ,ことにしばしばみられる支配的な患者の親の前で患者に対する忠誠を守りうるかどうか頼りなく感じていたこと,それが彼が家族治療を避けていた理由であることを告白している。これは多くの精神療法者にある気持であろう。しかし彼は自分の個人的な精神分析でこの不安は少なくなり,治療者として患者の親に関係をもてるようになったので家族治療を始めたという。
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