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文献詳細

雑誌文献

精神医学15巻12号

1973年12月発行

特集 精神障害と家族

犯罪と家族

著者: 武村信義1

所属機関: 1東京大学医学部脳研究施設脳心理学

ページ範囲:P.1331 - P.1340

文献概要

 I.
 犯罪と家族に関しては,いろいろな問題について,いろいろな学問分野において数多くの研究がなされている。とくに家族の犯罪原因としての(犯因性の)意義は犯罪学の最も重要な課題の一つとして,つとに生物学,心理学,社会学などの各方面から研究された。それは生物学の立場では主として犯罪者の遺伝負因の見地から眺められている。心理学的には家族成員の情動的な関係が,社会学的には家族の構造・機能および社会・文化約役割の問題が検討されてきた。しかしまた今日,犯罪者の治療・処遇における家族問題の重要性の認識も一層深まりつつある。さらに家族は犯罪の対象(被害者)として,犯罪現象論においても重要な位置を占める。このように多岐多方面にわたる犯罪と家族に関する諸問題のうち,ここではとくに著者が関心をもつ犯罪原因論における家族の問題に絞って述べたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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