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研究と報告
ロールシャッハ・テストにおける立体反応(Vista)の精神医学的意味
著者: 細木照敏1
所属機関: 1東京大学医学部精神衛生学教室
ページ範囲:P.145 - P.153
文献購入ページに移動I.はじめに
ロールシャッハ・テスト(以下ロ・テストと略記)の反応決定因子において,研究者の間で,最も問題をのこしているのは,インクのしみ図版の灰色の濃淡を知覚的手懸りとして生ずる陰影反応の系列である。
この系列には大別して(i)黒白を含め,陰影を色としてとらえるもの。(ii)物の表面のきめ,肌あい,材質感としてとらえるもの。(iii)それを3次元的な立体として,あるいは拡散としてとらえるもの,の三つのsubgroupが分離できるといわれてきた。しかしこれらの下位グループのうち,前2者がある程度明確に同定できるのに対し最後のもの,すなわち3次元的な立体反応は,その分離,同定が必ずしも容易でなく,またその出現頻度が少ないこともあって,今日までその臨床的意味について,はっきりした定説がない。
ロールシャッハ・テスト(以下ロ・テストと略記)の反応決定因子において,研究者の間で,最も問題をのこしているのは,インクのしみ図版の灰色の濃淡を知覚的手懸りとして生ずる陰影反応の系列である。
この系列には大別して(i)黒白を含め,陰影を色としてとらえるもの。(ii)物の表面のきめ,肌あい,材質感としてとらえるもの。(iii)それを3次元的な立体として,あるいは拡散としてとらえるもの,の三つのsubgroupが分離できるといわれてきた。しかしこれらの下位グループのうち,前2者がある程度明確に同定できるのに対し最後のもの,すなわち3次元的な立体反応は,その分離,同定が必ずしも容易でなく,またその出現頻度が少ないこともあって,今日までその臨床的意味について,はっきりした定説がない。
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