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文献詳細

雑誌文献

精神医学15巻2号

1973年02月発行

研究と報告

てんかん者の死亡と死因

著者: 福島裕1 大沢武志1 大沼悌一1 佐藤時治郎1

所属機関: 1弘前大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.155 - P.163

文献概要

I.はじめに
 一般に,てんかん者の死亡率は一般人口のそれに比較して高いものと推定される。とくに,意識障害を伴う発作では,発作にさいして,周囲の状況に応じた適切な行動をとる能力が損われるため,危険な事態を回避することができず,したがって,このような発作を有する患者では,様々な災害を蒙る可能性が大きい。この他,発作重積状態がてんかん者の死因として大きな割合を占めていることを強調する報告2,6)もある。一方また,症状てんかんの基礎疾患(たとえば,脳腫瘍)もその進行が患者を死に導く。このような,てんかん発作自体あるいはその原因疾患に由来する死亡の他にも,一般人口に共通してみられる死因がてんかん者の死因となることはいうまでもない。
 ところで,てんかん者の死亡,あるいはその死因に関する報告や記述は諸外国においては少なくない。しかし一方,わが国では著者らの求めえた限りでは,この問題に関する研究報告は乏しく,わずかに,山内ら17)(1952)がてんかんの予後調査の中で,死亡率と死因について,やや詳しく記述しているのみである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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